相手を尊重したコミュニケーションを ~新人看護師9カ月研修より~
看護師に求められる能力の一つに、患者さんの話をしっかりと聴けるコミュニケーションスキルがあります。多職種を繋ぐ要となっている看護師は、患者さんはもちろん、同僚とも積極的にコミュニケーションを図り患者さんにケアを提供する必要があるからです。入職して9か月が経過した新人看護師さんの中には、一生懸命看護業務を覚える傍ら、「不安が強い患者さんにどう接していいか分からない」「先輩だったらもっといい言葉をかけることができたと思う」と、患者さんに向き合おうとする姿を目にしてきました。そんな「患者さんの役に立ちたい」と思っている新人看護師さんのために、新人看護師9ヵ月研修は「患者とのコミュニケーション」をテーマに研修を行いました。今回はその内容を紹介したいと思います。
最初に、自分のコミュニケーションの傾向を知るためのツールを使って、正しく自己認識できているか評価をしました。これは効果的なコミュニケーションを考えていくために必要な作業です。新人看護師の皆さんは、対人コミュニケーションにおける分析を行い、自分のコミュニケーションの傾向を客観的に知ることができたようです。その上で、コミュニケーションスキルの活用方法の講義を行い、実際にロールプレイを行いました。
初めてのロールプレイに、新人看護師さんは少し戸惑っていましたが、疑似体験を通して学びを深めることができたようです。「こころのケアが出来る看護師になりたい」「沈黙や反復という技術が大切だと理解できた」「コミュニケーションを取るにはもっと患者さんのことを知る必要を感じた」などの意見が挙がりました。研修後のレポートからは、実際に研修の学びを活かし、患者さんの役に立てたと喜びを感じることができた看護師もいます。コミュニケーションスキルを身につけることは重要です。しかしそれ以上に、相手を尊重する姿勢や自身の感情のコントロールを図ることが大切だと気づかれたのではないでしょうか。
当センター看護部が大切にしている看護、「真摯に向き合い 寄り添う看護」を行うために、これからも新人看護師さんの大きな力に期待したいと思います。
人材育成・採用担当主任 小川