赤ちゃんが病気かなと思ったら
顔や体にあざがある
赤ちゃんのあざにはできた時期、色、形などによりおおまかに分けることができます。
●生まれたときにあるもの
青紫色のもりあがっていないあざは「蒙古斑」といいます。お尻だけとは限りません。手や足にできることもあります。成長すると徐々に薄くなります。
主に体にできる薄い茶色の盛り上がっていないあざは「カフェオレスポット」といいます。家族にも同じようなあざが見られることもあります。成長しても消えることはありません。
●生まれたときははっきりしなかったもの
きれいな赤色の皮膚から盛り上がっていないあざは「正中母斑」といいます。まぶた、くちびる、おでこ、後ろ頭の髪の生えぎわにみられます。5人に1人くらいの頻度でよく見られるあざです。数日以内にあらわれ、1年以内にほとんどが消えてしまいます。後ろ頭のあざは時に消えないこともありますが徐々に薄くなります。
濃い赤色で、皮膚から盛り上がっているあざは「苺状血管腫」といいます。からだのどこにでも見られる可能性があります。生後6ヶ月までは徐々に大きくなりますが、その後は小さくなっていき、7歳ころまでに消えてしまいます。あざの表面を無理にこすったりすると出血したり、小さくなったときに傷として残ることもあるので気をつけましょう。巨大なものは皮膚科で治療することもあります。
黒目の位置がおかしい
生まれたばかりの赤ちゃんの視力は非常に悪く、目の前のものはぼんやりしか見えていません。そのため1ヶ月までは赤ちゃんとなかなか目が合わなかったり、黒目の位置が左右で違ったりすることはよくあります。また、目をあけたまま眠っていることも多く、眠っている間の黒目の位置は左右で違うこともあります。一般的には赤ちゃんが元気であれば黒目の位置が左右で違っても問題ないと思います。
1ヶ月を過ぎても目が合わない、また黒目の位置の異常だけでなく元気がない、ミルクの飲みが悪い、よく吐くなどの症状があれば病院を受診しましょう。
口の中に白いものがついている
口の中にある白いものはほとんどが「ミルクかす」です。特に舌はざらざらしており、ミルクかすがつきやすいです。指などでさわってとれるようであればミルクかすなので心配はありません。
頬の内側などにあり、こすってもとれないものは「鵞口蒼(がこうそう)」かもしれません。カンジダ(カビの一種)の感染症です。通常は無症状ですが時にミルクの飲みが悪くなることもあります。薬で治りますが、不潔な哺乳瓶、おしゃぶりなどによる感染症なので、しっかり消毒しないとまた再発することがあります。母乳の場合はお母さんの乳首にカンジダがいることもあるので、同時に治療しましょう。
頭の形が変
生まれたばかりの赤ちゃんは頭の骨が軟らかいので、同じ方向ばかりを向いていると頭の形が変わってしまうことがあります。同じ方向ばかり向いている原因ははっきりしていませんが、一説によるとまだ胎児の時にその方向を向いていたためと考えられています。癖みたいなものなので、タオルなどで工夫して反対を向かせるように心がけると徐々に治ります。また、成長して首がすわり、おすわりができるようになると徐々にもとの形に近くなります。
なかには首の筋肉の異常で反対を向けないこともあります(「斜頚」)。そういう時は小児科に相談しましょう。
顔にブツブツができた
生まれて1週間頃から顔が赤くなったり、ニキビのようなぶつぶつができたりすることがあります。赤ちゃんの顔は脂っぽくて、新陳代謝も早いので、思春期と同じような状態になることがあります。
治療の基本はニキビと同じで、まずはスキンケアが大事です。石けんで顔を洗い、よく洗い流して清潔にしてあげてください。洗った後に皮膚の乾燥が強いようなら市販の保湿クリームなどをつけることもよいと思います。また、かゆいと赤ちゃんが自分でかきむしって傷を作ることもありますので、手袋をすることも効果的でしょう。赤くはれたり、膿(うみ)をもったりしていれば病院で薬を出してもらう必要がありますので受診してください。
また、まゆげや髪の毛の根元によく見られる、光沢のあるうろこのようなものは分泌された皮膚の脂の固まったものです(「脂漏性湿疹」)。一度に取りきることは難しいので、お風呂で徐々に洗い落とすようにしましょう。
ニキビだけでなく、水ぶくれがあったり、熱が出たり、全身が真っ赤になったりするようなひどいものは皮膚の感染症かもしれませんので病院を受診しましょう。
目やにが出る・涙がいつも出ている
涙は上まぶたの耳側にある涙腺で作られ、目の表面をうるおして目頭から鼻に流れています。(だから涙が出ると同時に鼻水も出るのです!)
この流れが悪い時に涙が目からあふれて出てきます。原因として涙を鼻に流す管(鼻涙管)が狭くなっていることがあります(「鼻涙管狭窄」)。常に涙が流れているようなひどいものはこの鼻涙管がつまっていることもありますので、眼科を受診しましょう。
また、赤ちゃんが目やにが出やすいのもこの涙のためともいえます。目やにが薄い黄色で、さらさらしており、白目も充血していなければ涙がたまって乾燥しただけかもしれませんので心配はありません。目やにが濃い黄色でねばねばしていたり、白目が充血していたりすれば結膜炎かもしれませんから、病院を受診しましょう。
いびきをかく・鼻から音が出る
赤ちゃんは基本的に鼻から呼吸をしています。1ヶ月を過ぎて体全体の肉付きがよくなってくると、鼻の空気の通り道も肉付きがよくなり相対的に狭くなり、いびきのような音を出すことがあります。体が成長して鼻の通り道がまた大きくなれば音はしなくなります。
鼻がブーブー鳴っていても、ミルクの飲みがよくて元気で、よく眠れていれば心配しなくても大丈夫です。しかし、1回のミルクの飲む量が少なくなったり、飲んでいる時の顔色が悪くなったりするようであれば病院を受診しましょう。
でべそになった
へそのおがとれてしばらくしたときに、おなかの皮膚の下の膜がうまく閉じずに穴があいて、そこに腸が飛び出すことがあります(「臍ヘルニア」)。さわると「ぐちゅっ!」とした感じがして奥に押し込むことができますが、泣いたりおなかに力を入れたりするとまた飛び出してきます。皮膚におおわれているので押しても腸に問題はありませんが、ごくまれに戻らなくなることがあります。押しても戻らなくなり、赤ちゃんの機嫌が悪ければすぐに病院を受診しましょう。飛び出ているおへそは3ヶ月頃までは大きくなるかもしれませんが、6ヶ月をこえる頃には徐々に出にくくなり、1才頃には閉じてしまうことが多いようです。1歳過ぎても閉じないものや、巨大なものは病院に相談しましょう。
しゃっくりがよく出る
ミルクを飲んだ後眠っている時に赤ちゃんがしゃっくりをすることがあります。しゃっくりはいろいろな原因で横隔膜(胸とおなかを分けている膜)が刺激を受けることによりおこります。例えば冷めたミルクを飲んだ時や、一度に多くのミルクを飲んだときなどにしゃっくりはみられやすいといわれています。
一度しゃっくりが始まってしまうとすぐには止まりませんが、赤ちゃんはしゃっくりが出ているからといって苦しいとか、気持ち悪いとか感じることは少ないようです。しゃっくりがでて眠りが浅いようであれば、縦抱きにしてゲップを出すようにしてあげるだけでも止まることがありますが、そのままでも自然と止まるので心配はいりません。
おしりが赤くなっている
おむつをあてている部分が赤くなることを「おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)」といいます。
原因は柔らかく未熟な皮膚、おしっこやうんちによりぬれたままの皮膚、おむつが皮膚にあたっていることによる機械的刺激などによりおこります。
おむつ皮膚炎を治すためにはこのような原因を取り除いてあげるスキンケアが必要です。まずはこまめにおむつ交換をしてください。そしてできれば市販のおしり拭きではなく、ぬるま湯で汚れた部分をよく洗い流してあげてください。軟らかいティッシュペーパーなどで水分をよく拭き取り、皮膚をしっかり乾燥させてください。乾燥するために遠くからドライヤーで乾かすこともよいと思います。その時は必ずおしりの近くに自分の手を当てて、赤ちゃんがやけどしないように注意してください。
このようにすれば1週間くらいでよくなることが多いのですが、時に皮膚が真っ赤にただれたり、赤いテカテカしたブツブツが出たりすることもあります。1週間ほどスキンケアを行い、よくならなければ病院を受診しましょう。
両足の長さが違う・足が開きにくい
赤ちゃんの足をまっすぐにのばした時に、左右の長さが違ったり、おむつを替える時に股関節の開きが悪かったりする時には、「先天性股関節脱臼」の可能性があります。
その時に比べてもらいたいのは、足をまっすぐにした時の太ももの内側のしわの数です。左右のしわの数が明らかに違っていれば、先天性股関節脱臼の可能性がありますので病院を受診しましょう。診断がつけば適切な装具で強制する必要があります。
手足がピクっとなる(けいれん?)
生まれて間もない赤ちゃんが、大きな音などの刺激により手足を「ぴくっ」とさせることがあります。
刺激がなくても「ぴくっ」となることはありますが、ほとんどの場合は数回「ぴくっ」となるだけで、何分間も「ぴくぴく」「がくがく」を続けることはありません。これは生まれて間もない赤ちゃんの神経が少し過敏になっているためで、数ヶ月すると徐々に消えてしまいます。
けいれんとの区別は、①「ぴくぴく」している時に目つきがおかしい、②手足をにぎったり抱っこしたりしても「ぴくぴく」がとまらない、③「ぴくぴく」が3分以上続く、などです。①~③が一つでも当てはまる場合けいれんの可能性がありますので、すぐに病院を受診しましょう。
手足の皮がむける(皮膚炎?)
生まれて間もない赤ちゃんは、程度の差はありますが全身の皮がむけることがあります。これは赤ちゃんがおなかの中の環境から外の環境に適応している過程で見られる現象です。
予定日近くで生まれた赤ちゃんによく見られ、未熟児ではあまり見られないので、赤ちゃんの皮膚が成熟しているかどうかの指標と考えられます。
無理に皮をむこうとすると正常な皮膚も一緒にめくれてしまうことがあるので、自然に落ちるのを待っていると2~4日で自然にとれてきれいな皮膚になります。皮がむけた後の皮膚が赤くなっていたり、じゅくじゅくしたりしていれば皮膚炎の可能性がありますので、病院を受診しましょう。
熱が出た
赤ちゃんの体温は大人と比べて高めで、36.5~37.5℃が正常です。
また、赤ちゃんの体温は周りの環境温度に左右されやすいので、部屋の温度が高ければ体温が高めになることがあります。「少し体が熱いかな?」と思って熱をはかったとき、体温が37.5~38.0℃の場合はまず赤ちゃんが元気かどうか(哺乳力がよいかどうか)を見てください。赤ちゃんが元気で哺乳力がよければ室温を少し下げたり、服を1枚脱がせたり、掛け物を減らしたりしてみてください。30 分後にもう1 度熱をはかり、下がるようであれば特に問題ないと思います。
逆に体温が37.5℃以下であったとしても、赤ちゃんに元気がなければすぐに病院を受診しましょう。赤ちゃんは具合が悪い時でも必ずしも熱が出るとは限りません。体温を上げるという機能も未熟なので熱がなくても重症な病気である場合もあります。
大事なポイントは赤ちゃんが元気かどうか(哺乳力がよいかどうか)です。
ミルクを吐く・鼻からミルクが出る
赤ちゃんは大人と比べて消化管の機能が未熟なため、飲んだミルクを吐きやすくなっています。また、吐いたミルクが口からではなく鼻から出ることも多いです。
ミルクの吐き方には「たらっ」と「がばっ」があります。少量「たらっ」と吐くのは大人でいう「嘔吐」ではなく、赤ちゃんに独特の「いつ乳」と呼び、吐いているとは考えません。
また、「がばっ」とたくさん吐いても、①吐く回数が1日数回である(毎回吐いているわけではない)、②吐いたものがミルクの色、③吐いた後の哺乳力がよく元気が良い、④おなかが張っていない、①~④に当てはまればそのまま様子を見てもよいと思います。
これ以外の場合は消化管の病気(肥厚性幽門狭窄症など)の可能性がありますので、病院を受診しましょう。
湯冷ましは飲ませないといけないか
以前はお風呂上がりに湯冷ましやお茶を飲ませることがあったようですが、現在では飲ませる必要はないといわれています。
赤ちゃんにとって母乳(ミルク)は最適で万能な栄養源と考えられており、お風呂上がりでも(いつでも)母乳(ミルク)を飲ませるべきと考えられています。
便がおかしい
生まれてすぐの赤ちゃんの便は濃い緑色で、粘土のようなやわらかさですが、母乳やミルクを飲み始めると便の色も形も変わってきます。よく見られる便は、濃い黄色で少し白っぽい粒が混じっている便だと思います。しかしこれ以外でも、赤ちゃんによって様々な便があります。
● 色
まず色についてですが、原則として異常な色は赤・黒・白です。よく見られる便は黄色、緑で、これらの色は問題ありません。
赤や黒は消化管のどこかから血が出ていることを示す便です。わずかについている程度であれば慌てて病院を受診する必要はなく、しばらく様子を見て続けば病院を受診しましょう。
白い便は肝臓の病気(胆道閉鎖症)のことがあります。この場合注意しなければいけないのは真っ白い便にならない時もあるということです。以前と比べ少しでも色が薄くなってきたなと思えば一度病院を受診しましょう。この病気は早く治療を始めないと治りにくく命に関わる病気です。もし少しでも便の色が薄くなってくれば早めの受診をお願いします。
● 形
形も様々ですが、水っぽい便から、ウサギの便の様にコロコロしているものまで個人差があります。
どんな形の便でも普段と変わらないことが大事ですので、日頃から赤ちゃんの便をよく見てあげて、便の形が変わってきたらおなかの具合に注意してあげましょう。便の形が変わっても赤ちゃんが元気であれば心配いりません。
● 回数
回数も個人差が非常に強く出ます。1 日に10 回近く便を出す赤ちゃんもいれば、1~2 日に1 回しか出ない赤ちゃんもいます。回数がいつもと変わりなく、哺乳力がよくておなかが張っていなければそのまま様子を見てよいと思います。
下痢かなと思うような水っぽい便であっても、いつもと便の回数が変わりなく、赤ちゃんが元気であれば心配しなくてもよいと思います。
また、便の回数が少ないな(便秘)と思っても、赤ちゃんの哺乳力よく嘔吐せず、おなかの張りもなければ心配しなくてもよいと思います。赤ちゃんが便を出そうと息んでいるようであれば、おなかを「の」の字にマッサージしてあげることもよいでしょう。
予防接種はいつ受けるのか
予定よりかなり早く生まれたり(在胎35週未満)、生まれた時の体重が小さかったりしても(2300g 未満)、予防接種は生まれた日から考えて他の赤ちゃんと同じように受けてください。
また、かなり早く生まれた赤ちゃんは胎盤を通してお母さんからもらう免疫が少ない場合が多いので、できるだけ早めに予防接種を受けることをおすすめします。
早く生まれた赤ちゃん(在胎35週以下)にしかできない予防接種(シナジス)もありますので、当てはまる赤ちゃんは当院小児科外来へご相談ください。
健診はいつ受けるのか
早く生まれた赤ちゃんは、同じ誕生日の赤ちゃんに比べて未熟な部分があります。これらの赤ちゃんが同じように健診を受けると、早く生まれた赤ちゃんの発達が本当に遅れているのか、早く生まれたためによる差なのかがわかりにくくなります。
生まれた週数にもよりますが、早く生まれた赤ちゃんの健診は出産予定日から考えて行うことが多いようです。予定日からの発達を見ればその赤ちゃんの発達が本当に遅れているのかがわかりやすくなります。
早く生まれた赤ちゃんの健診日は小児科の先生と相談して決め、同じ誕生日の赤ちゃんと比べて発達が遅れているようにみえても、あまり心配しすぎないようにしましょう。
離乳食はいつから始めるのか
一般的に離乳食は生後6ヶ月頃から始めます。
早く生まれた赤ちゃんは同じ誕生日の赤ちゃんに比べて未熟なことが多く、生後6ヶ月では離乳食を始めるための機能がうまく整っていないこともあります。このため出産予定日から考えて6ヶ月頃まで離乳食を始めるのは待った方がよいと思います。
しかし、発達には個人差がありますので、よくわからなければ小児科の先生に相談してください。
また、離乳食の準備として以前は果汁やスープを飲ませていましたが、今はその必要はなく母乳(ミルク)を飲ませていればよいといわれています。
マススクリーニングとは
生まれつきの病気の中で、生まれてすぐには症状がわかりにくいが早く見つけることで後遺症を防ぐことができる病気があります。
そのような病気の中で6つを同時に調べる検査がマススクリーニングです。
マススクリーニングではフェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症を検査することができます。生後5日目前後に血液検査を行い、早ければ約1 週間で検査結果が出ます。
検査値に異常があればまずはもう1 度同じ検査をして確認します。それでも異常であれば病院で精密検査を行います。
再検査の連絡が病院からあれば受診してください。またその時に赤ちゃんに元気がない、哺乳力が弱いなどの気になる症状があれば、病気のはじまりかもしれませんので教えてください。
飛行機・新幹線にはいつから乗っていいか
遠方の実家に帰る場合は、1 ヶ月健診を終えて問題がなければよいと思いますが、生まれてすぐの感染症は重症になりやすいことを考えると3ヶ月以降の移動をおすすめします。
また移動手段は飛行機、電車(新幹線)、車などがありますが、どれも一長一短です。
飛行機は移動時間は短いのですが、人ごみがさけられない、途中で赤ちゃんの具合が悪くなってもおりられない、授乳をする場合も他の人の目が気になるなどの状況が考えられます。
電車、新幹線は車よりは移動時間が短いのですが飛行機に比べると時間がかかること、人ごみがさけられないことなどが考えられます。新幹線では個室を利用することもできるので、駅に相談してみることもよいでしょう。
車は自由に休憩でき、人ごみもさけることができますが、距離によってはかなり時間がかかります。時間にゆとりを持って帰るようにしましょう。
いずれにしても、赤ちゃんと家族のストレスにならないように、こまめに授乳して水分不足にならないように、具合が悪くなれば途中でも早めに病院を受診するようにしましょう。
エアコン・加湿器はずっとつけておくべきか
生まれたばかりの赤ちゃんは周りの環境に体温が左右されやすくなっています。部屋の温度や湿度は赤ちゃんにとって快適なように調節してあげてください。室温の目安は、夏は26℃、冬は20℃です。
かといってあまり難しく考える必要はなく、大人が一緒にいて不快でない程度の温度に調節してあげればよいと思います。赤ちゃんが暑いか、寒いかは赤ちゃんの背中に手を入れて確かめることもよいでしょう。背中に汗をかいているようなら少し部屋が暑いかもしれません。
また、背中の様子とともに、手足の温度にも注意してあげてください。手足が冷たいようなら手袋、ソックスを使って温かくしてあげましょう。
湿度の目安は40~60%です。湿度は冬の乾燥している時期に注意してあげてください。特にカゼをひいて咳や鼻水が出ている時は、症状を悪くさせないためにも加湿が重要です。
いつから一緒にお風呂に入ってよいか
生後1 ヶ月を目安に大人と一緒のお風呂に入ることが多いようですが、いつまでベビーバスを使わないといけない、という決まりは特にありません。
ベビーバスのいい点は、清潔なお湯で赤ちゃんをお風呂に入れてあげることができる、少ないお湯のため温度調節がしやすい、お風呂に入れる人が服を着たままできるので赤ちゃんがお風呂からあがった時に服を着せやすい、などがあります。
しかし、家族の事情により様々ですので、慣れておられれば1 ヶ月より早くても大人と一緒のお風呂に入ってもいいと思います。大事なことはお風呂が赤ちゃんの負担にならないように注意してあげることです。お湯の温度や、お風呂に入っている時、出た時の赤ちゃんの様子に注意してあげましょう。
夜寝てくれない・泣き止まない
赤ちゃんが夜泣き止まないために救急外来を受診される方が時々おられます。しかし、実際に受診されて診察する時には泣き止んでいることがほとんどです。
確かに赤ちゃんが泣き止まない時にはどこか具合が悪い(痛い!?)こともありますが、実際には特に理由がないことがほとんどです。
まずは、赤ちゃんが不快なことがないかを調べましょう。おむつをかえたり、ミルクをあげたり、服を着替えたりしてみましょう。それでも泣き止まなければ抱っこして少し散歩してみてください。車に乗せてみることもよいでしょう。弱いゆさぶりを持続して赤ちゃんにしてあげると泣き止むことがあります(胎児期にお母さんが歩いていた振動を思い出す?)。