産婦人科

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婦人科疾患

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その他の婦人科疾患

切迫早産

早産の時期(妊娠22~36週)に、子宮収縮が頻回に起こり、子宮口が開大し、赤ちゃんが生まれそうな状態です。切迫早産の状況に応じて、自宅安静や入院が必要になります。妊娠28週未満の早産の場合は、赤ちゃんに重篤な障害が出現する可能性が高くなるので、特に注意が必要です。

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妊娠高血圧症候群

妊娠20週以降、分娩後12週までの間に血圧が上昇する疾患です。発症した場合は入院が必要になります。正期産(妊娠37週以降)であれば誘発分娩を選択します。早産の時期(妊娠22~36週)では、分娩した場合の赤ちゃんの未熟性とお母さんの重症度を比べながら分娩時期を決定します。

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胎児発育不全

赤ちゃんの発育が妊娠週数の割に小さい状態です。その原因は、前述した妊娠高血圧症候群や母体合併症(膠原病など)、喫煙、飲酒、先天感染症、染色体異常など、多岐にわたります。赤ちゃんやお母さんの状態によっては妊娠を継続することが危険な場合もあり、分娩時期が早まったり、分娩方法として帝王切開が選択される場合もあります。

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前置胎盤

胎盤が正常より低い位置にあり、子宮口を覆うか、その辺縁が子宮口にかかっている状態です。性器出血を認める場合は入院が必要になります。性器出血を認めない場合でも妊娠32週ごろから入院となります。産道が胎盤でふさがれているので、分娩方法は帝王切開が選択されます。

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常位胎盤早期剥離

妊娠中または分娩中に、赤ちゃんが生まれるよりも先に突然胎盤が剥がれてしまうことです。胎盤が剥がれると、胎盤を介してお母さんから赤ちゃんへ供給されていた酸素や栄養が遮断されるため、赤ちゃんはお腹のなかで危険な状態になったり、お腹のなかで亡くなることがあります。

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双胎妊娠

子宮のなかに2人の赤ちゃんがいる状態です。双胎妊娠の場合、流早産や妊娠高血圧症候群などの母体合併症や、胎児発育不全などの胎児合併症を発症する確立が高くなるので、高い頻度での健診が必要になります。また自宅安静や早期からの入院が必要になる場合も多いです。

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子宮筋腫

月経過多や月経困難、不妊症などを伴う場合は治療を行います。治療としては手術療法やホルモン療法、対症療法を行っています。手術療法には、子宮筋腫核出術と子宮全摘術があり、低侵襲手術である腹腔鏡下手術および子宮鏡下手術を積極的に行うことで、入院期間の短縮に努めています。

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卵巣嚢腫

疼痛などの症状を伴う場合やサイズが大きい場合は手術療法を行います。手術療法のほとんどは腹腔鏡下手術です。

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子宮内膜症

月経過多や月経困難、不妊症などを伴う場合は治療を行います。症状および目的に応じて、手術療法やホルモン療法、対症療法などの治療法を選択します。高齢で腫瘍サイズが大きい場合は癌化のリスクが高くなるので、積極的に手術療法を行っています。手術療法のほとんどは腹腔鏡下手術です。

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子宮頚癌

細胞診、組織診あるいはその原因となるヒトパピローマウイルスの検査を行うことが可能です。初期の子宮頚癌やその前癌病変である子宮頚部異形成に対しては、高周波メスを用いた子宮頚部円錐切除術を行っており、短期間の入院で安全な治療が行えます。浸潤癌に対しては、広汎子宮全摘術を行っていますが、術後の合併症である排尿障害を減らすための神経温存手術を積極的に行っています。進行子宮頚癌に対しては、従来の放射線療法に加え、放射線療法と化学療法(抗がん剤治療)を同時に行う放射線化学療法を積極的に行っています。さらに、遠隔操作密封小線源治療(RALS)を行うことで良好な成績を得ています。

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子宮体癌

細胞診、組織診、さらに子宮内膜掻爬術を行うことが可能です。初期の子宮体癌に対しては、子宮全摘術を行い、浸潤癌に対しては、子宮全摘術およびリンパ節郭清を行っています。妊孕性温存を希望される初期癌に対しては、ホルモン療法を行うことで子宮を温存し、妊娠・出産が可能な場合もあります。

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卵巣癌

画像診断で卵巣癌が疑われた場合は、細胞診や試験開腹による組織診で診断します。卵巣癌に対しては、子宮全摘術およびリンパ節郭清、大網切除を行っています。妊孕性温存を希望される初期癌では、子宮および卵巣を温存することが可能な場合もあります。進行癌に対しては、積極的に化学療法を行っています。癌の種類に応じて、様々な抗がん剤や分子標的薬を用いて治療します。

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子宮脱

子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器が膣から脱出する疾患です。治療としては、ペッサリーリングを膣内に挿入する方法と、手術によって経腟的に子宮を摘出し、腟壁を形成する方法があります。

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子宮奇形

先天的に子宮の形が通常と異なることを言います。不妊症などを伴う場合は形成術を行っています。

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不妊治療

不妊治療に関する詳しい内容は、生殖医療科 のページをご覧ください。