心臓血管外科
主な対象疾患
虚血性心疾患
この疾患は心臓を養う血管である冠動脈が狭窄や、閉塞する事により発症する、狭心症および心筋梗塞であります。これに対して心臓外科においては冠動脈バイパス術を行います。胸の中にある内胸動脈や足にある大伏在静脈を用い別の血液の道を作ることになります。手術方法に人工心肺を使用して心停止下に行うか、拍動下に行う方法がありますが、当科では症例を選択し30%ほどを拍動下に行っております。また治療に際して循環器内科による内科的治療である冠動脈ステントの適応も考慮した上で外科手術となります。心筋梗塞に伴う心破裂、心室中隔穿孔などあらゆる合併症にも対応しております。
弁膜症
心臓には4つの弁があります。それは大動脈弁、僧房弁、肺動脈弁、三尖弁です。それぞれの弁で狭窄、閉鎖不全が生じ、それが原因で心不全となります。特に最近は患者さんの高齢化にともない大動脈弁狭窄症の症例が増加傾向にあります。手術方法は2種類あり弁形成術と弁置換術です。弁形成は自己の弁を温存して弁の逆流を防ぐ手術です。この適応は僧房弁逆流症において非常に広がっております。弁置換術は人工の弁に置き換える手術です。弁には2種類あり生体弁、機会弁とありそれぞれの使用に関しては患者さんと相談して決めております。
大動脈疾患
真性大動脈瘤と解離性動脈瘤があります。真性瘤は動脈硬化により瘤ができ、破裂またはその可能性がある症例に手術を行います。解離性動脈瘤は動脈の壁に穴があき、血管の中膜が裂ける事により生じます。なかでも急性解離性動脈瘤は破裂の危険性が高いため緊急手術となる事の多い疾患です。それぞれの手術は人工血管により動脈を置き換えます。最近増加してきたステントに関しては当院外科において積極的に行われております。
先天性心疾患
症例数は少ないですが成人となった症例に関しては手術を施行しています。主には左右の心房の中隔に先天的に穴があいている心房中隔欠損症です。また新生児動脈管開存症に関しても手術を行っております。
不整脈
心房から発生する不整脈である心房細動に対してメイズ手術も適応を選んで行っております。