人工関節センター
人工膝関節について
人工膝関節とは?
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨 (すねの骨)、膝蓋骨(お皿)の3つの骨の組み合わせでできています。人工膝関節は関節の悪い箇所を切除し滑らかにした後、関節の代替として働くインプラントと呼ばれる人工膝関節部品に置き換える手術です。
人工膝関節置換術とは
関節疾患で、程度が軽い場合は、保存的療法(投薬療法・注射)で症状を和らげることができます。しかし痛みの継続や、変形の強い場合で歩くことができなくなった場合、または、関節リウマチが進んだ場合には、人工膝関節置換術などの手術が必要になります。
人工関節の寿命
人工関節の寿命は、患者さんの身体的条件・活動度・体重など、多くの要素に影響されますが、今日では一般的に15年~20年と言われています。人工関節インプラントは最新の技術によってつくられているとはいえ、人工物である以上、その耐久性には限界があります。しかし、主治医の指示に従い、患者さんが日常生活上の注意点をきちんと守ることによって、人工関節の寿命を出来るだけ長く保つことが可能となります。
人工膝関節の構造と役割
関節の病気や怪我などの原因により、筋肉訓練や注射などの保存的な治療が効かない状態までダメージを受けてしまった膝関節は、症状が回復する可能性が低く、日常生活が制限されるほどの強い痛みを伴います。人工膝関節はこの痛みを取り除き正常に近い膝関節の動きを取り戻すために開発され症状の進んだ膝関節を人工膝関節に置き換える手術を、人工膝関節置換術といいます。
人工膝関節施術例
変形性膝関節症(両側同時人工膝関節置換術)
人工股関節について
股関節のいたんでいる部分を取りのぞき、人工の関節に置きかえる手術です。人工関節は、基本的には金属と、金属に対して滑りのいいプラスチックから作られています。人工股関節は、金属製の大腿骨(だいたいこつ)の中に入れる棒状のステムというものとボール、そして骨盤側のカップと、その中に入るプラスチックが組み合わさって構成されます。
実際の人工股関節の手術では、関節の痛んだ部分を取り除いて、骨盤側には金属製のカップをボルトで固定し、大腿骨側には、金属製のステムを挿入します。そして、その先端のボールとプラスチックが組み合わさってスムーズに動く人工関節となるわけです。
前方進入法について
当センターで行っている前方進入法は筋肉を全く損傷しないため、術後の早期回復(翌日から歩行可能)に有用であるだけでなく、従来脱臼予防のため厳重な注意が必要であった生活動作の制限もほとんど不要となりました。この方法はフランスで開発され、当院の故弓削名誉院長により日本で最初に導入されました。ただ、やや難易度が高く、日本全体ではまだ15%程度の普及率ですが、当センターでは西日本で最も多くこの方法による手術を行っています。術後の患者さんの中にはゴルフやテニスなどのスポーツを楽しんでいる方もいらっしゃいます。私たちはこのような「手術したことを忘れている関節」を再建することを目指しています。