中央放射線部

一般X線撮影検査

胸部X線写真や手・足などの骨のX線写真のことを「一般撮影」あるいは「単純撮影」と言います。近年、画像診断装置のほとんどがコンピュータ(デジタル)化されており、一般撮影にも広く普及してきています。2012年1月より、一般X線撮影部門にDR(Digital Radiography)システムを導入しました。従来のCR(Computed Radiography)システムより放射線量を低減して撮影を行うことができています。また、撮影したX線画像をコンピュータで処理することによって、診断価値の高い画像情報を提供できるようになりました。最適な検査が出来るよう、撮影室ごとに専門のX線診断装置を設置しています。

一般X線撮影検査機器(胸部撮影室)

一般X線撮影検査機器(ベット)

 

 
 
胸部撮影室 胸部および腹部撮影、乳幼児専用胸腹部撮影
乳房撮影室 おもにマンモグラフィーの撮影
骨部撮影室 おもに整形外科領域の骨の撮影
頭部撮影室 脳神経外科、耳鼻科、歯科領域の撮影
救急撮影室 救急患者や入院患者をベッド上でそのまま撮影

 

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マンモグラフィ検査

レントゲン写真

マンモグラフィ

装置の写真

マンモグラフィ装置

マンモグラフィとは乳房のX線撮影のことです。乳癌の初期症状である小さな石灰化を写し出せるのが大きな特徴です。

また触診では触れない小さな乳がんを写し出すことが出来ます。

乳腺組織を見やすくするために、乳房を圧迫板で片方ずつ挟んで撮影します。基本的に左右の乳房を上下方向と斜め方向の4回撮影します。検査時間は15~20分程です。

圧迫して撮影することで痛みをともなう場合もありますが、乳房を薄くひきのばすことでより病変を見やすくすることができ、X線被曝量を減らす効果もあります。痛みがひどい場合はすぐに技師に伝えてください。圧迫を弱めることも出来ます。

生理前の時期で乳房痛がある方などは、生理から1週間くらい後の、乳腺が柔らかい時期に行うと、痛みが少なく、乳腺が薄く広がったよい画像が得られます。

マンモトーム生検について

当病院ではマンモトーム生検を行っています。マンモトーム生検とは、視診や触診、マンモグラフィ、エコーでがんが疑われたり、がんとの判別が難しい場合に行う検査です。

乳房内にできた病変(疑わしきもの)の組織を一部取り、病理組織診断を行います。局所麻酔下で行われ、生検のための小さな傷(約4mm以下)が一つだけで縫合は不要です。また、傷跡は1~2ヶ月程度でほとんど目立たなくなります。

マンモトーム生検の方法
  1. 乳房をマンモグラフィで撮影し、位置決めをします。
  2. 皮下と乳房に局所麻酔をします。これによりほとんど痛みを感じることはありません。
  3. 病変をマンモグラフィで見ながら、乳房に針を刺入し組織を採取します。
  4. 10分程度生検部位を押さえた後、傷口をテープで止めて完了です。縫合する必要はなく、4mm程の傷口は1~2ヶ月くらいで目立たなくなります。

マンモトーム生検の方法 画像1

1. 位置決め

マンモトーム生検の方法 画像2

2. 吸引

マンモトーム生検の方法 画像3

3. 切除

マンモトーム生検の方法 画像4

4. 組織の回収

 

 

 

 

 

 

 自己検診が大切です!!

乳がんは体の上から触って見つけることのできる、数少ないがんのひとつです。早期発見のために月に一度、生理が始まって1週間後に、閉経後の人は毎月、日を決めてチェックしてみましょう。自己検診と並行して、40才以上の方は、マンモグラフィを含めた検診を定期的に受けましょう。

もし気になることがあったら早目に病院を受診しましょう。

2014年8月 日本乳がん健診精度管理中央機構 マンモグラフィ健診施設画像認定取得

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X線透視検査

X線透視検査とは、主に単純のX線撮影では診断できない部分に対し、造影剤を使用して透視下で確認しながら目的部位の撮影を行っていく検査です。

またX線透視は検査のみならず、様々な治療を目的として利用される事もあります。

施設紹介

装置画像

Cure Vista 日立メディコ製

装置画像

Sonial Vision Safire 島津製作所製

当院では2010年より二台のFPD(フラットパネルディテクタ)搭載型X線透視装置が稼働しています。

FPDにより歪みが少なく広い範囲が撮影できるようになり、高い画質の画像が撮影可能となりました。画質のみならず装置自体も改良され、床上高50cmまで検査ベッドを下げる事ができるのでご高齢の方、足が不自由な方でもスムーズに乗り降りができます。

また装置のいたる所に対接触用センサーが搭載されているので検査自体も安全に行えます。

撮影された画像及び動画はデジタルデータなので専用の画像処理端末により、より詳しく有用なものに編集され読影に利用されます。

実際の検査と治療について

検査

 

レントゲン写真

MDL(胃透視検査)

レントゲン写真

CF(注腸検査)

レントゲン写真

ERCP

レントゲン写真

子宮卵管造影

 

 

 

 

 

 

治療

 

レントゲン写真

神経根ブロック

レントゲン写真

シャント拡張術

 

 

 

 

 

 

正しく検査を行う為に前処置として絶飲食や下剤の服用など、その検査内容に沿った形で患者さんに協力をお願いすることがあります。

検査前、もしくは検査予約時に担当者より詳しく説明がありますので、その指示に従うようお願いします。

また検査後にも同様に指示があります、注意してください。

ご不明な点などがありましたら、担当者までお気軽に問い合わせください。

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CT検査(コンピューター断層撮影)

CT検査とはX線を回転させながら人体にあて、その情報を検出器で集めコンピューター処理をし、輪切りの写真や様々な方向の断層像を作り出す検査です。頭部、胸腹部、骨などを細かく検査することが出来ます。

また脳血管、胸腹部大動脈、心臓・冠動脈などを三次元表示し、様々な角度から観察することもできます。

当院のCTは検出器が多列化した64列マルチスライスCT2台が稼動しています。従来のCTに比べ非常に高速な撮影が出来るため息止め時間が短く、全体の検査時間も短縮できます。

装置画像

CT装置

説明イラスト

胸部・腹部大動脈

説明イラスト

冠動脈

 

検査には単純検査と造影検査があります。

  • 単純検査
    造影剤という薬を使用しない検査。検査時間が約5分程度です。
  • 造影検査
    造影剤という薬を使用する検査。造影剤は検査する部位をより詳しく調べる目的で使用する薬です。検査時間が約10分程度です。

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MRI検査(磁気共鳴画像)

MRI検査とは

MRI (Magnetic Resonance Image:磁気共鳴画像)とは、強力な磁場と電波を使って、体の中の水や脂肪など(人体の約60%は水分)を画像化する検査です。さまざまな角度から体の断面を撮像することが出来ますが、磁場なのでCTとは違いX線を使用しないため放射線被ばくはありません。

MRI検査装置(3.0TMRI)の写真

撮像台に寝ていただきトンネル状のMRI装置の中に入り検査していきます。検査中、工事現場の様な大きな音がしますので、耳栓をして撮像します。検査時間は30分前後です。

  • 動きに非常に弱い検査ですので、検査中は動かない様ご協力お願いします。
  • 検査室内に電化製品、金属、アクセサリーを身につけて入室する事は出来ません。
  • 検査着に着替えて検査をしていきます。
  • コンタクトレンズ、過度なメイク、髪やまつ毛のエクステなどは、場合によっては検査前に外していただく事があります。

下記に該当する方は、検査が出来ない場合がありますので事前にご相談ください。

  1. 心臓ペースメーカーや刺激電極など体内電子機器を身につけている方
  2. 体内に脳動脈クリップや人工関節などの金属が埋め込まれている方
  3. 以前に外科手術を受けた事のある方
  4. 妊娠中、もしくは妊娠の可能性のある方
  5. 閉所恐怖症など狭い所が苦手な方

 

当院では2013年にMRI棟が完成し、新しく3.0TMRIを導入し、従来の1.5TMRIと合わせて2台で稼働しております。3.0TMRIでは、ワイドボア化となり、撮像空間を広く確保することができ、従来のものより圧迫感が緩和されました。さらに、磁場強度(磁石の力)が2倍となったため、より高画質になり微細構造まで見えるようになりました。

MRI検査 出力画像1 MRI検査 出力画像2 MRI検査 出力画像3

 

この他、何かご不明な点などがございましたら、気兼ねなくお尋ね下さい。

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血管造影検査

血管造影検査とは

直径2mm前後のカテーテルを動脈や静脈に入れていき、検査対象の血管まで進めて撮影する検査です。

血管そのものはエックス線には写らないため、造影剤(エックス線写真に写る特殊な薬剤)をカテーテル経由で血管に注入し、血管がエックス線写真に写るようにします。このため、血管造影検査と呼ばれます。

当院では、血管造影の手技を利用して種々の疾病を治療する「カテーテル治療」も行っています。

 血管造影検査の主な対象

当院での血管造影検査における主な検査対象部位は、肝臓、脳血管、ならびに心臓周辺の血管です。その他にも、外傷などで血管が傷ついた疑いがある場合なども検査の対象となります。

心臓周辺の血管については専門医が行う「心臓カテーテル室」にて検査・治療が施されます。

心臓カテーテル室に設置された血管造影検査装置

 

カテーテル治療について

以下に、当院の血管造影検査室にて主に行われている治療の具体的な治療名称と概略をお知らせします。

以下の情報を患者さんがお知りになることで治療の成功率が上がる、といった類のものではありませんが、治療前の安心材料のひとつとして、また治療後の話の種として頭の片隅に留め置いていただければと思います。

血管塞栓術(Embolization(エンボリゼーション)
  • 脳血管塞栓術 Coiling(コイリング)
脳の血管にできてしまった動脈瘤(血管が薄く弱くなり風船状に膨らんだもの)に対して行われる治療です。コイルと呼ばれる非常に細い金属製の紐を動脈瘤の中に詰め、動脈瘤が破裂するのを防ぎます。

 

肝動脈血管塞栓術
  • TACE
肝動脈化学塞栓療法(Transcatheter Arterial ChemoEmbolization)と呼ばれる治療の略称です。「肝臓がんに栄養を送っている血管を詰める薬」と、「肝臓がん自体を殺す薬」を同時に注入することで、肝臓がんをより効率的に治療する目的で行われます。
肝臓がんに栄養を送っている血管を詰めるのみの(「肝臓がん自体を殺す薬」を混ぜない)場合には肝動脈塞栓療法(TAE:Transcatheter Arterial Embolization)と呼ばれます。

 

血管拡張術
  • 頚動脈ステント留置術
血管を詰めるのではなく、詰まりそうな血管を広げる治療です。
詰まりそうな血管(主にコレステロールなどが原因)を内側から押し広げた後、ステントと呼ばれる筒を血管の内側から沿わせるように貼り付け、血管を補強します。

 

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RI検査(核医学)

RI検査とは

放射線を出しているごく微量の放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を用い、病気の診断や治療をする検査です。ラジオアイソトープで目印をつけた薬を体内に投与しますと、特定の臓器や組織に取り込まれそこで微量の放射線を出します。これを「ガンマカメラ」と呼ばれる特殊なカメラで撮像します。

撮像時間は、検査をする部位によって異なりますが、約30分~60分です。

核医学では目的の部位、臓器により検査の方法が異なります。そのため検査にかかる時間、注射から検査までの待ち時間等も異なりますのでご注意ください。検査によっては前処置(絶食、食事制限など)が必要になる場合もあります。

RI検査の流れ

  1. 検査の予約。(その際、注意事項などを書いた予約票をお渡しします。)
  2. 予約当日、RI検査室に直接お越し頂きます。
  3. 放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を体内投与します。(静脈注射するほかに、カプセルを飲んだりするものもあります。)
  4. 撮像する前に金具、ボタンは外していただきます。(場合によっては検査着に着替えていただく事もあります。)
  5. 検査室に移動して頂き、検査台の上に仰向けで静かに寝ていただきます。(撮像開始まで検査内容により時間が異なります。)
  6. ガンマカメラで撮像します。(撮像する際、カメラが体のすぐ近くまで近寄りますが閉所が苦手な方は事前にご相談下さい)
  7. 撮像終了。(普段通りお過ごしください。)

 

装置画像

シンチカメラ ecamDUET

装置画像

シンチカメラ ecam

 
骨シンチ検査で撮影した全身骨正面像と背面像の画像

骨シンチ(全身骨正面像と背面像)

撮影画像

心筋シンチグラフィー

撮影画像

心筋シンチグラフィー

 

当院では、2014年の5月から開始された、パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の診断を目的とするDat-SPECTを始め、骨シンチグラフィー、脳血流シンチグラフィー、Gaシンチグラフィー、心筋シンチグラフィー等(その他にもございますが)、行っております。

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